tacomii’s blog

日々思うことをつらつらと。

夫の死。そして喪失した心が起こした地獄の苦しみ。書けるうちに書いておこうと思う。

私は夫を28年前に事故で亡くしました。

生まれた子供はまだ0歳で…

 

今回は事故の詳細ではなく、

夫が亡くなる2ヶ月くらい前から

亡くなった数年後までの

ショックを受けた私の身に何が起きたのか。

そんな話を書きたいと思います。

 

決して明るい話でもないし、

同じ境遇の誰かのために

なるとも思えません。

今まで話すことのなかった

心の蓋を外してみようと…

とても長くなりますが

よかったら

読んでいただけたらと思います。

 

🍀🍀🍀

連絡が入ったのは

私がまだ0歳の子供を連れて

実家に帰っていた時でした。

次に会う時は、

新居(アパート)で暮らす時だね。

すぐに暮らせるように整えてから

迎えに行くからね。

 

その日が私の誕生日だったので

どこで買ったのか

赤いバラの花を1本渡されて

この人から花を貰うとか初めてで

珍しいことしないでよ〜なんて笑って

車が角を曲がり、見えなくなるまで

見送った夜でした。

 

それが意識のある夫の

最後の姿でした。

 

意識あると書いたのは、

一命は取り留めたから。

でも医師から告げられたのは

ただの絶望でした。

 

「今後良くても植物状態です」

 

良くてというのは

奇跡という医師が口にしない

ことが含まれていました。

 

事故から2ヶ月と少し

彼は頑張りました。

 

そこからは事務的な手続きが続いて

悲しんでる余裕はあまりなくて

引っ越す予定だったアパートへ出向いて

大家さんに事情を話したら

快く解約を承諾してくださって

私は部屋を見渡して、

ここでの楽しい生活が

なくなってしまったんだなと

とても寂しかったのを覚えています。

 

それから割と早い段階で夫の実家を出て

私の実家近くにアパートを借りて

1歳を迎えたばかりの子供と二人で暮らし始めました。

 

子供を育てなければいけないという

強い責任感から、メソメソと泣くこともなく

淡々と日々を暮らしていました。

 

暮らしは淡々としているのですが

心の中ではかなりのショックを受けていたのでしょう。

 

朝に目が覚めても体が起きてくれないのです。

 

目が覚めているのに夢の中にいるような

そんな感覚の中じわじわと現実が襲ってきて

夫が亡くなったところから

火葬場で焼かれて骨になるのを

もう一度頭の中で早送りのように体験して、

「あぁ、夫は死んだんだ」

と現実を思い出さないと起きられないのです。

子供が先に起きようとも

それは変わりませんでした。

時間にして大体30分くらい。

 

それは3ヶ月くらい毎日続きました。

 

その時はかなり精神的にも

参っていたのでしょう。

告白するとたった一度だけ

運を天に任せたことがあります。

 

一本道に5回出てくる信号を

子供を抱っこして

信号を見ずにただただ歩きました。

 

そこで何かあればそれでいい。

そんな気持ちでした。

バカですねぇ…

 

幸いなこと(?)に何もなく

家に帰り着くことができました。

 

 

話を少し戻しますと

現実を受け入れたのかどうなのか

起きられるようにはなったのですが

そこら辺からある夢を見るようになりました。

 

それは夢の中で夫に連絡が取れない夢。

 

夫は結婚前にインドに数年いたので

夢の中ではインドにいることになっていて

連絡をしようと携帯電話のボタンを

押すのですが、何回やっても

どうしても間違えて押してしまうのです。

そして何度も押すうちに

番号を忘れてしまうのです。

目が覚めるまで一晩中

間違い続けるのは地獄でした。

 

同じようなことでは

連絡先を書いたメモフォルダが

どうやっても探せなかったり、

そもそも連絡先すら教えられずに

インドに行ってしまって絶望していたり。

「どうして?どうして?どうして?」

心臓はバクバク、冷や汗や震えが止まらない。

もう連絡をつける術がない。

どうやったら会えるの?

 

もう一生会えないよ。

だって死んだんだから。

そんな声を聞いてやっと目が覚めます。

 

そんな夢は毎日ではないのですが

割と高い頻度で

6年くらい見ていた気がします。

本当に辛かった。

 

 

そこからしばらく経つと

夫がたま〜に夢に出てくるようになりました。

それが夫が言うには

「今は修行の旅に出ていてエジプトにいる」

 

 

私は悲しんで泣くことをしなかったから

悲しみに蓋をしてしまったために

長い間苦しんだような気がします。

 

 

だいぶ端折りましたが

当時私に起きた苦しみを

ここに書いて浄化させたいと思います。

 

ふと書いてて気がつきました。

どうして話そうと思ったのか。

 

今年迎えた誕生日で0歳だった息子が

亡くなった夫と同じ年齢になりました。

なんでしょう、よく生きてきたな〜って。

振り返ることもして来なかったので

書こうと思ってるうちに書いてしまおう。

そんな感じです。

でもさあ〜、何も私の誕生日に

事故を起こさなくてもいいのにねぇ。

お祝いなんて出来やしない。

 

 

さて、そろそろ終わりにします。

最後にこれだけ。

夫が亡くなってから

心の支えにしていた曲があります。

今でも大好きです。

 

〜おわり〜


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